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デジタルデトックスキャンプweb

教えるだけではない、一緒によりそうことを大切にしています。

山梨県立北病院

デイケア担当・公認心理士

依田 賢太郎氏

■担当しているプログラムについて。

今、思春期の子たちのグループをメインで担当させて頂いています。ここで行っているプログラムはそれぞれのストレスとの上手な付き合い方を学んでもらいます。しかしながら、実際ストレスをゼロにするということはできませんので、そのストレスとうまく付き合っていくこと、ストレスをできる限り少なくすること、その方法を自分ごととして一緒に考えたりできるプログラムを行なっています。

 

■北病院での過ごし方。

様々なストレスケアの勉強やネットゲームと上手に付き合い方を振り返るプログラムもあります。しかしながら、あまりつめこんで勉強勉強した時間にしても本人は、楽しくないと感じるかもしれません。他に楽しく過ごしてもらえるスポーツや、レクリエーション、例えば今年はこのお部屋で、秋祭りということでみんなでたこ焼き焼いたり、ポップコーンつくったり、ワイワイと。あとクリスマスにみんなで楽器練習して発表会も開催しました。主治医の先生や元担当だったスタッフなども見に来てくれて好評でした。これをきっかけに楽器を始めた子もいます。また、アルバイトを経験してみたいという気持ちの子も多いくありまして、この院内の喫茶店でちょっとアルバイト体験も開催しました。アルバイトに興味はありつつも勇気出ないなとか、働くイメージが不安な方もいましたが、たまたまこの院内に喫茶店がありますので協力をしていただきながらアルバイト体験をしていただきました。分かり合える、分かち合える心でよりそい、そこで楽しく過ごしてもらえるといいなと思い、デイケアで活動を行なっています。

 

■よりそいかたで心がけていること。

行動に対して「それはやめた方がいいよね!」とか「なんでそんなことするの?」などなど、頭ごなしに怒ること誰でもして欲しくないと思います。全くその行動を分からないでやっているという人ってほとんどいません。心のどこかで「これやったら怒られるだろうな?」とか、「やりすぎてるかなぁ」など思ってる子は多いです。分かってることを叱られるのは結構きついじゃないですか。ですからどちらかというと、言動の理由や背景があるとは思いますので、そこをなるべく聞いてあげたいなと思ってます。ゲームをやりすぎていますとか、自分を傷つけてますなんていう方の相談があったとしても「何でやったの?」という問いかけより「なにか事情があったんだね。」とか「訳があったんだね。」など、互いによりそうことを心がけ、逆に指導というカタチ、そういうつもりの関わり方はしないように心がけています。

 

■印象的なエピソード。

ある日、一人の子から「家族とケンカしたんだ。」と報告がありました。私は「でもケンカできるようになったって、成長じゃない?」と話をしたことがあり、その子も「そうだよね~」なんて応えてくれていました。それまでなら自分の気持ちをおさえておさえて、ケンカを避けていたんです。周りからそして家族から見るとケンカしたとか発言すると、びっくりするかもしれません。でも今まで自分の気持ちをおさえてきた本人からするとそれができるようになったって、すごく大きな成長だと思いました。話してくれた本人もそこを強く感じてくれていたみたいでした。私自身、個人的には「ケンカできた。ケンカしちゃった!」という話しを聞いたときは、よく自分の気持ちを出せたなぁ、大したもんだなぁなんて思いましたね。

 

■やりがいを感じられる瞬間

子どもたちが、「今、こういうのに夢中になっている!」とか、すごく楽しそうに話してくれるのを聞くのも楽しいし、ここを卒業された方がたまにここに顔を見せに来てくれて、「今、学校行ってます!」とか「今、仕事してこんな感じです!」とか、結婚してお子さん連れてきてくれる子もいるんです。やはり、そういうの見ると心から良かったなと思います。

 

■利用を検討しているご家族へのメッセージ

学校に行けないだったり自傷行為がやめられなくてとかネットやゲームが止められなくて困ってるという方とか。その他にそれぞれ悩まれてるお子さんがいると思います。もちろん、お子さんのために来ていただくのも良いですし、親御さんがお子さんたちと、どう関わるか、またどうフォローしてあげたら良いのかわからないという悩みをお持ちでしたら一度、相談に来ていただければと思っています。

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