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デジタルデトックスキャンプweb

今、前を向き、真剣に向きあえるのは、あの経験があればこそ。

一般社団法人グレイス・ロード

センター長

坂本 拳氏

■一般社団法人グレイス・ロード について

 

当施設は2015年から活動を始め、ギャンブル依存症、ゲーム依存症の回復支援を行っています。予防啓発活動として様々な学校などでも講演を行なっています。我々が日々行っているのはピアサポート(同じ苦しみや生きづらさを抱える当事者同士が支え合う活動)です。スタッフは全員依存症当事者であり、ギャンブルやゲーム依存症の当事者です。現在、当事者の方が全国から繋がってきます。その当事者に対して依存症からの回復を継続して自分の依存症と向き合ってどう自立していくのか。それは、一人一人、それぞれカタチが違います。それぞれのご家族の中で、ゲーム依存やネット依存などを含めて問題があり、ご家族が困っているという方がいれば、私たちにご連絡いただければお応えし、ご相談にものっています。そして私たちだけで解決できないことはそれぞれの医療機関などにおつなぎしています。本当にどんな方でも困っていらっしゃる方がいれば、ご連絡いただければ対応できるかと思います。

 

 

 

■使い方によっては違うもの。使う人による道具に考えること。

 

現代では生活に欠かせないスマートフォンについて考えてみます。他で例えると「銃」。例えばアメリカであれば、日本と違い容易に銃を手に入れることが出来ますね。社会問題にはなってはいますが、各々、自分を防衛するために持つ方もいれば、逆にそれを武器にしてしまい、度々、無惨な乱射事件が起きてもいます。私もこのニュースを見て心が痛みます。私たちの日本では例えば「包丁」。本来は料理するものですよね。私たち誰もが、そう思います。けれどそれを人に突きつけて人を傷つけてしまうってことも悲しいことに日常の中、ニュースで事件として知ることがあります。それと同じでこの「スマートフォン」も同様。もしかしたら今、SNSなどの一つのコメントを書いたり、中傷に賛同しワンクリックするだけで誰かを追い込んでしまったり、誰かを傷つける武器にもなる。逆に良き使い方として世界の裏側の有益な情報が得たり、動画配信サイトを見て自分の知ることができなかった様々なことを学んだり。本当に良いも悪いも使い方次第であるなと強く感じています。私自身も今、29歳なので 中学3年生ぐらいの頃からスマートフォ ンを持ち、ずっと使用していました。今の中高校生は物心ついた時からスマートフォンなどのデジタルデバイスが日常の中に溶け込んでいますね。ただ私も同じく、それらデジタルデバイスにどう向き合っていくか、どううまく付き合っていくかということについては教わってこなかった訳です。実際、それは今のお子さんの世代でもそうです。その親御さんに当たる世代でも、そのことを誰からも教わってこなかったと思います。

スマートフォンをよく使う人は一日、だいたい6~7時間という話しもあります。ということは睡眠時間をのぞけば、起きている時間の半分ぐらいをスマートフォンにふれることになります。それをどう使うか、どう向き合っていくかというのは、極端なことを言えば、これからの人生をどう生きてくかみたいな課題。そこに直結するくらいに考える必要があると私は思います。

 

■施設での生活で見つかること。見つけること。

 

今回開催されたデジタルデトックスキャンプや講演でも中学生たちにはこれからの人生をどのように生きていくのかという事など、実体験を元に話をしています。当施設に入寮したら基本的にスマートフォンやデジタルデバイスは最初のステージでは所持・使用できないこととなっています。施設に入所中は家族との連絡も基本的に一切出来ません。その中で改めて自分自身と向き合う時間がたくさんあります。当たり前だったこと、例えばご飯食べて美味しいな、仲間と話して幸せだな、自分ってこんなことがしたかったと自分本来を見つめていく時間と場所がグレイス・ロードだと思います。

 

■今回のデジタルデトックスキャンプで感じたこと。

 大自然の中でリアルな自分を見つめること。

 

みんなで「cultivate the life みのぶ自然の里」に行き、キャンプをし、その中で濃厚な時間を過ごせました。バーベキュー楽しい、 美味しいほうとうをつくって「なんだ!誰でも一からやれば自分でもつくれる!」ということをみんなで共有し、改めて日々の達成感や喜びを噛みしめられるようになりました。

それは「リアルな体験」、そのものが「楽しい」ということを知ることができました。合わせていろんな人の話しを聞く中で、改めてその中で自分と見つめなおす時間が大切ですね。特に中学生年代は、自分を見つめ、友だちと楽しく過ごす時間はとても貴重だと思い ます。デジタルデトックスキャンプに参加頂いた方だけではなく山梨県の小、中、高校生世代(欲を言えば全国の)の方たちにみんなに体験してもらえたら、また様々な違う発見、自分自身それぞれの発見があるのではと思いました。本当なら私自身が中学生のときに参加してみたかった!ということをすごく感じました。

依存症回復施設/予防啓蒙活動

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